Yくん(2016年 京都大学 法学部 合格 洛星高校卒)

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中1から英語と数学に躓き、定期考査や毎日の小テストは殆ど訳がわからないまま、ほぼ丸暗記でなんとか平均点を取るという感じの中学時代でした。自分の勉強は、目の前のテストをただ乗り切るためだけの中身のないモノだということをわかってはいましたが、どうしようもなく過ごしていました。だから、全く実力がない英語や数学の模試の点数はとにかく散々な有様でした。このまま高校生になって大学受験を乗り越えるなど不可能だということは自覚していたので、塾を探そうと思いました。

友達が通っているような大手塾にも体験に行きましたが、成績が同じレベルのクラスに入ると成績が上がる気が全くしない雰囲気だったので、即ダメだなと思いました。そんな折に、偶然校門前で受け取ったチラシでVcampusを知り、こんな僕でもなんとかなるかもしれないと思い入塾しました。

入塾して驚いたのは、先生方のレベルの高さです。英語を理解する為に必要なことをわかりやすくかつ根気強く教えて頂きました。「自分が何をどうやるべきなのか。」を具体的に教えて頂けるので、少しずつ勉強の筋道が分かってきたように思いました。

しかし、入塾するまでに自分が取りこぼしていた膨大な勉強量の上、部活動も続けていたので、時間的にかなりキツかったです。結局、現役のときは大阪大学(法学部)を受験しましたが不合格でした。

浪人が決定し、林部先生との面談で「君をVcampusで面倒を見る覚悟だ」と言って頂けたので、ここで後悔しないように、もう1年頑張ろうと決めました。

英語は、佐藤先生とマンツーマンで文法書を徹底的に一言一句見直し、改めて理解を深める作業をしました。今までなんとなく読んでいた長文も構文が取れるようになり、新しい発見のようで嬉しく感じることもありました。

数学は、市販の青チャートを使用し、単に解法の暗記ではなく、「どうしてこの公式を使うのか。」と理論的に自分の中で納得できるようになるまで先生が付き合って下さいました。自らは、『数学Ⅰ+A』『数学Ⅱ+B』の約4000問を何周も解き続け、自力で解けなかった苦手な問題をとにかく潰していく毎日を過ごしていたので、だんだん苦手な問題ばかりが残っていき、精神的にキツかった時期もありました。そんな時には、先生方に愚痴や悩み、不安を気軽に打ち明けて、支えて頂いたことは非常に大きかったと思います。京大数学の過去問に手をつけ始めたのはセンター試験後でしたが、去年の自分との違いに驚きました。去年はなんとなく解き始めてすぐに行き詰まっていましたが、今年は答えを求めるために「この段階で何をすべきなのか。」、「自分にはどんな武器(アプローチ)があるのか。」を考えることで格段に解けるようになっていたからです。そのように自分が変われたのは、青チャートを演習している時に、今更、人に聞くのは恥ずかしいような質問でもすぐその場で聞けて解決出来るVcampusでの環境だからこそ、本当の理解につながったのだと思います。

自分と向き合い、Vcampusで本質的な勉強が出来る学習環境と、なにより自分の理解度を毎日把握して下さった先生方に支えられて、こんな平凡な自分でも今年は京都大学(法学部)に合格することが出来ました。
最後になりましたが、林部先生をはじめ全ての先生方に心から感謝しています。すぐに弱気になりがちな自分をいつも支えて頂き本当にありがとうございました。京都大学で過ごす時間は、自分に与えられたチャンスだと思って大切にしていきます。

 

Yくん(2016年 京都大学 法学部 合格 洛星高校卒)のお母さん

中学時代は学校のみで勉強していましたが、英語と数学がだんだんと苦手になってきて、さすがに高校生になる時、分からなくなった今までの学習を最初からやり直したいと塾を探し、Vキャンパスに入塾させて頂きました。それでも、高校の時は部活動もあり学習時間が限られ、もともと不器用で要領も良くないのに、学校の考査対策をやらなければならず、結果、考査はそこそこ、でも外部模試は・・・。結局、現役の受験時はセンター試験対策までが精一杯で、2次試験対策までは時間切れ状態でした。

浪人が決定した時、息子の場合、大手塾の集団授業では、何となくわかったつもりになるだけの今までの学校の延長になるだけ、それでは本質的な理解は難しく1年間がムダになるのではないかと林部先生にアドバイスを頂き、Vキャンパスでの浪人生活をスタートしました。

塾では、英語と数学、古典をただ単に暗記ではなく解答のひとつひとつを理論的に自分で説明が出来るまで演習を重ねていく学習の様子を月に1度の先生からお知らせ頂くので、親としては安心で全ておまかせ出来ました。息子から「今までは授業で習ったまま、何となく公式を使ったりしていたけど、今は問題と向き合って『どうして!?なぜ!?』が完全に理解出来るまで先生に何でも質問出来るから、自分が理解出来た実感があって勉強が楽しい」と聞いた時は、本当に驚きました。苦手な数学や英語の勉強が楽しいなんて、今まで聞いた事がなかったからです。自分がやるべき学習を自分のペースで勉強が出来ること、勉強以外のことに気を使うこともないVキャンパスでの学習環境も息子にとって何より良かったのだと思います。

年末に受験校を決める際は、前回の失敗もあり、息子がかなり弱気になった時期もありましたが、毎日、息子の学習内容や理解度を把握していただいてる先生方が適切なアドバイスを下さったことも、とても心強く感じました。

1年前、阪大に不合格だった息子が今年京大に合格出来たのは、Vキャンパスで密度の濃い学習内容・時間を過ごせたからだと思います。1年間の浪人生活は息子にとって自分を見つめ直す何よりの時間になりました。ずっと支えて頂いた先生方に心より感謝申し上げます。ありがとうございました

一浪人生の合格に寄せて

2016年春、Vキャンパスで一年間の浪人生活を過ごしたある青年が、無事大学に合格した。

洛星中高卒、浪人という一頓挫はあったものの、京大法学部合格。これまでのところはまあ順風な人生の滑り出しと言えるだろうか。

仮にこの青年をT君としておこう。T君に初めて会ったのは、彼が高校生になろうかという時期の育星舎説明会のときだった。ご両親に連れられて説明会に現れた彼は、真面目なおとなしい感じの中学生だった。学校の定期テストの成績は悪くないものの、模試などの実力を試すテストとなるととたんに成績が下がってしまい、実力がないことはお母さんだけでなくT君本人も認めている。

体験指導で英語の学力を試してみると、英文をなんとな~く訳していることがすぐにわかった。英語を直訳するという作業がまったくできていない。文型や構文を確認せず、単語の品詞に気を配ることもなく、知っている単語の意味をつなぎ合わせて、ただ感覚的に訳している。これでは英語の学力はないに等しい。聞けば中1の最初から、「英語はこんな調子で適当にやってきた」のだという。和訳を丸暗記してテストでそこそこの点数を取ってしのいできたというのもよくわかる。

数学も然りだった。公式はなんとな~く覚えている。ところがどこでどの公式を使えばいいのかさっぱりわかっていない。理解の伴わないままに「この問題が出たときにはこの公式を使う」という作業を中学入学後の三年間続けてきたのだそうだ。

早速入会してもらったものの、T君にこびりついた勉強法の悪癖を拭い去ることはなかなかできなかった。しかも運動部に入っている関係で通塾日数も限られている。

高1の秋頃の全統模試だったろうか。返却された英語の成績を私に見せるなり、「まったく勉強していない○○君にも負けてしまいました。僕はどうすればいいんですか?」と、半分泣きながら私に訴えてきた。たしかにひどい学年順位だった。留年するか、とまで言われている同級生にも届かない得点。テスト直しで長文問題の音読指導を行なってみたが、雰囲気で訳す癖がまだ改まってはいないようだ。

部活引退後、ようやく時間もできたので毎日こちらに来て勉強してもらった。センター模試や記述模試の成績も次第に上がってはきたが、京大の合格判定はほとんどがEでたまにDがつくくらい。センター本番では実力どおりと言ってよい得点しか取れなかった。当時の彼の二次力から見て京大合格はありえない。私はT君に前期・後期とも阪大法学部を受けることを勧めた。たとえ落ちてもいいから京大を受けたい、という気持ちも良くわかった。しかし、阪大にも届かない、というのが私の見解だった。「今年は京大には絶対に受からない。もしも運良く阪大に受かったら、そのとき、阪大に行くかどうかを考えればいい。」そう説得して、阪大過去問の勉強に取りかかってもらった。

案の定阪大前期・後期ともに不合格となり、洛星生の常として現役時には滑り止めを受けていない。さあ、これから浪人生活が始まる。予備校をどこにするか、という話になる。駿台や河合塾という大手予備校に行くのが一般的だ。Vキャンパスの高3生で浪人が決まった他の生徒には、駿台か河合塾かどちらに行くのか、を尋ねた。「一年しんどいが、しっかり勉強せよ。」と言って送り出した。ところがT君の場合、大手に行っても学力が伸びる気がさっぱりしない。予備校でマスプロの授業を受けても、また洛星時代と同様に覚えて終いのその場しのぎの勉強に戻るのが目に見えている。かと言って、Vキャンパスにあと一年通ってもらったとして彼を京大に合格させることができるのか、これもわからない。浪人生を預かる以上、こちらにも相当の覚悟が必要になる。過去、二名の浪人生を預かり、幸いにして国立大の医学科と京大に合格してもらった。T君もその二名のことはよく知っている。だが、果たして一年後T君を京大に合格させることができるのだろうか。

ご両親との面談で、一年間T君をお預かりする覚悟があることを伝えた。そしてその場合、時間はかかるがもう一度英語・数学・国語ともに一から勉強をし直してもらうという方針も伝えた。大手では彼は伸びないだろうという不安、暗記だけの勉強から思考と理解を伴った勉強へと移行しなければ京大には受かれないという現実など、私の思いを率直にお話しした。そしてT君には、これからの一年間、疑問に思ったことはどんな些細なことでもいいから必ず質問せよ、たとえ前と同じ質問であっても恥ずかしがらず何度でも質問せよ、と指示した。

こうして、T君のVキャンパスでの浪人生活が始まった。予定通り、英語はもう一度英単語・英文法の復習から、また数学は青チャートⅠA・ⅡBを一から解き直してもらった。

京大法学部の判定は、10月に返却された京大実戦模試でようやくBがつき、12月返却の京大即応オープンでついにAとなった。「センターさえ無難に乗り越えればなんとかなるかもしれない。」そう思えるようになったのはこの頃だったろうか。

年が明けて、日に日にT君の緊張の増していくのが私にもはっきりと伝わってきた。「去年はダメ元だから気楽だったんですよ。でも今年は失敗するわけにいかないと思うと、毎日怖くて仕方ありません。」

結果、センターは期待したほどは取れなかった。駿台でも河合塾でも京大法学部の判定はC、阪大法学部前期の判定は河合塾がBで駿台がAとなっていた。悩ましい。もう一年の浪人は考えられないから、私立の滑り止めは確保してある。しかし、国公立前期は京大か阪大か・・・。

この一年間で培った二次力を頼りに、私は京大を推した。「でも、僕は去年阪大に落ちたんですよ。こんな僕が、本当に今年京大に受かれるんですか?」たしかにあまり聞かない事例だし、たいていの大人に相談すれば無難に阪大にしておけと言われることだろう。T君自身さえも世間的常識に騙されようとしていた。だが、この一年間彼とほぼ毎日顔を合わせてきて、英語や数学や物理の質問に答え続けてきて、だから、私は京大を推した。

二次試験翌日、教室に顔を出した彼に聞いた。「おい、数学は何問出来た?」「たぶんですけど、4問弱です。」「良し。受かったな。」

合格発表数日後、挨拶のため学校を訪れたそうだ。

「『T君。どうしたの?何が起こったの?』って、あまり親しくもなかった先生たちが大勢僕に話しかけてくるなんて。」

と、笑いながら話すT君だが、現役当時の学力や模試の成績を知っている学校の先生方にしてみれば、T君が京大に合格したのは信じられないことなのだろう。しかも、昨年は阪大にもまるで手の届かなかった生徒が、名もない塾で浪人した上でだ。

Vキャンパスの学習指導は、基礎を徹底するという基本方針に貫かれている。どの生徒についても例外はない。野球にたとえれば、素振りやキャッチボールや走り込みや筋トレといった地味な作業に時間をかけろということだ。T君にもこの一年間、この基本方針のもとに一から学力の再構築を行ってもらった。泣き言や愚痴もあったけれど、へこたれずに最後までよく頑張ってくれたと思う。

二次試験直前、「これだけやってきたんだから今回落ちても後悔はありません。」と晴れ晴れと話してくれた。一年間やれることをやりきった者だけが語れる清々しい言葉だった。私たちもやれるだけの応援はさせてもらった。そして、君への指導を通して我々一人ひとりもまた成長させてもらった。ありがとう。

さあT君、ようやく君の大学生活が始まる。大学でも、地に足のついた勉強を続けていってもらいたい。

[追記1]T君には現在、Vキャンパスでアルバイトをしてもらっています。幸い評判も上々です。

[追記2]その後の得点開示で、T君の入試の得点は合格者最低点どころか合格者平均点をも大幅に上回っていることがわかりました。

[追記3]2020年3月24日、学位記を携えてT君が訪れてくれました。T君の提案で専任講師全員と写真撮影。高校入学から8年間の付き合い。いい出会いだった。T君、これからも頑張れよ!また飲みに行こうぜ!